人に地域に未来に"やさしい"信用金庫を方針として掲げる西武信用金庫の総務部 芳川様に香りの空間演出へのお話を伺いました。
■ 導入の背景と目的
導入のきっかけは、店舗で働く職員のリラックスや集中力の維持をサポートする職場環境づくりでした。あわせて、お客さまに“心地よさ”や“安心感”を感じていただける空間演出として、香りの可能性に注目しました。
また、香りが人の心理や行動に与える影響が広く認知され、ホテルやアパレルショップなどでも活用が進んでいることも後押しとなりました。
導入の目的は大きく2つ。1つ目は職員の快適な職場づくり、2つ目はご来店されたお客さまに“やさしい空間”を提供し、香りを通じて西武信用金庫らしさを体感していただくことです。この取り組みは、中期経営ビジョンに掲げる「やさしさ」を体現するものでもあります。
■ 香り選定とプロセス
西武信用金庫は、自然豊かな地域から都市部まで広域に店舗を構えており、「らしさ」を表現する香りの選定には苦労しました。
全店導入にあたっては、事務職と営業職の橋渡し役である9名の事務長にご協力いただき、ヒアリングでは「懐かしい香り」「犬の肉球の香り」などユニークな意見も飛び交い、和やかな雰囲気で進行しました。
選ばれた香りは、ライム・レモン・リツエアクベバ・パイン・ベチバーの5種。
柑橘系は親しみやすく、ウッド系は落ち着きと安定感を演出し、地域に根差す信用金庫のイメージにぴったりでした。
コーポレートカラー「NEW MORNING BLUE」をベースに、「Save Blue~やさしい時間~」をテーマに香りを設計。実際に試すと、爽やかさとやさしさが調和し、透明感のある落ち着いた空間が広がる印象だったといいます。
■ 導入後の反応と今後の展望
アロモアミニポータブルとアロマシーンプラスを導入後、職員からは「思っていたよりも良い香り」「爽やかで心地よい」と好評の声が多数寄せられました。初めての試みに不安もありましたが、導入によって空間全体の印象が和らぎ、好意的な反応につながっています。
この取り組みは、金融機関には珍しい「五感に訴えるおもてなし」であり、空間そのものがブランディングの一部となる新たな価値を生み出しました。「この香りで西武信用金庫を思い出す」という記憶に残る体験づくりにも寄与しています。
今後は、店舗イベントやキャンペーンなどで香りを活用し、来店の楽しみや“やさしさ”の発信へとつなげたいと考えています。
また、季節や地域イベントに合わせた香りの変化や、「金庫の香り」を再現したアロマカード・しおりなどのノベルティ展開も検討中です。
香りを単なる演出ではなく、“文化”として根付かせていくことが理想です。
案件担当者 開発営業本部 深澤 寛生